大野ダム施設見学会

2013年9月2日

 

先週8月30日(金)、由良川流域を守る大野ダム京都府南丹市美山町)の施設見学へ行ってきました。

 

由良川は、京都府の中・北部を流れ日本海に流入する一級河川で、綾部市を象徴する母なる川として市民にも馴染み深い河川です。この由良川流域を洪水被害から守るため、由良川改修計画の一環として洪水調節+発電を主目的に建設されたのが大野ダム。昭和36年に完成し、昭和37年4月から京都府において管理運営されています。

 

 

大野ダム(堤高61.4m、堤頂長305.0m、堤体積167,000㎥)
大野ダム(堤高61.4m、堤頂長305.0m、堤体積167,000㎥)

 

 

今年50周年を迎えた大野ダムは、今日まで、降雨による出水に対して多くの洪水調節を行い、下流地域の洪水被害を軽減し、その機能を発揮してきました。

 

近年では、平成16年10月の台風23号における洪水被害は記憶に新しいところです。舞鶴市でバスが水没、バスの上に乗客37人が孤立し、約10時間後に救助されたことは全国にも大きく報道され、覚えている方も多いのではないでしょうか?その際、大野ダムでは上流に降った猛烈な雨により水位が上昇、数時間後にはダムに貯留できる最高水位を超えることが予想されましたが、下流に孤立しているバスの上の人命を最優先に考え、関係機関と連携し、限界ギリギリまで洪水をダムに貯めて放水量を抑えるという調節を行いました。

 

乗客が救助された時の大野ダムは、最高貯水水位まであと2m!もう数時間雨が降り続き、救助が遅れたら・・・考えるのも恐ろしいと職員の方もおっしゃっていました。

 

それほど、大野ダムの功績は大きいものでした。

 

 

平成16年台風23号の際は、最高貯水水位の数メートル手前にまで濁流が迫った。
平成16年台風23号の際は、最高貯水水位の数メートル手前にまで濁流が迫った。

 

 

施設見学会では、ダム施設の概要を説明いただくとともに、普段は立ち入ることのできないダムの施設内見学や、ダムコンピューターによるダム操作の概要もうかがうことができました。

 

 

 

今回初めて大野ダムを訪れましたが、従事する方々の細やかな管理に基づき、緻密に計算されたプログラムで稼働するダム機能によって、多くの洪水被害が未然に防がれていることを実感。

 

由良川流域に暮らす綾部市民として、あらためて危機管理意識を高める良い機会となりました。

 

 

ダム周辺は、緑豊かな自然があふれる。
ダム周辺は、緑豊かな自然があふれる。

 

 

大野ダム貯水湖(虹の湖)周辺では、背景の広大な河川敷を利用して、大野ダム公園、長谷運動公園、向山パターゴルフ場などの公園や散策路が整備されています。4月にはさくら祭り、11月にはもみじ祭り開催されるので、皆様もぜひ一度、ダム見学を兼ねて足を運んでみてください。

 

 

お問い合わせは・・・ 

■京都府大野ダム管理事務所

京都府南丹市美山町樫原中ノ山

TEL:0771-75-0143 FAX:0771-84-0239

 

■大野ダムビジターセンター

開館時間:9:30~17:00(12月~3月は16:30閉館)

年末年始を除く毎日開館